第63代理事長 本間 淳

踏み出す一歩 

人生には、思いがけない転機が訪れることがあります。一見すると無駄に思える経験や 何気ない出来事が、新たな道を切り拓く転機だったと気付くことがあります。 

私の人生を振り返ると社会人一歩目である証券会社で、多くの経営者と出会いその生き 方に強く惹かれ、自分もそのような人生を歩みたいという想いが芽生えました。当時は小 さな一歩に過ぎませんでしたが、振り返ればそれが大きな転機となっています。その後、 病や転職、資格取得への挑戦といういくつもの経験を積んで独立するに至ります。その 頃、地域との接点を求め、公益社団法人所沢青年会議所に入会しました。最初は参加して みるという小さな一歩でした。しかし、仲間と活動する中で、青年会議所が挑戦に本気で 向き合える場であると実感します。それぞれの立場に応じた挑戦から学び、支え合える環 境は、私に多くの気付きと成長をもたらしてくれました。  

私は(公社)所沢青年会議所を挑戦という一歩が自然と生まれ、仲間と共に前進できる 場へと、さらに高めていきます。そして、地域の未来に貢献し続けるために、一人ひとり が楽しみながら挑戦し成長していく組織づくりを目指してまいります。  

地域に根差し、共に歩む存在へ 

私たちは、創立 60 周年を機に掲げた中期ビジョン「Make a Movement Raise the Value ~所沢 JC の運動が、私たちとまちを成長させる~」を活動の指針として歩みを進めてい ます。地域との共創を大切にしながら、60 周年記念事業や埼玉ブロック大会の主管など、 組織として大きな意義を持つ取り組みに挑んでまいりました。60 年以上にわたり築いてき た信頼の絆を土台として、地域団体や企業との連携も深まってきています。近年のところ ざわは、再開発や文化資源の活用が進み、魅力あふれるまちとしての評価が着実に高まっ ています。都市機能と自然が調和するこのまちは、さらなる可能性に満ちています。発展 を続けていくところざわだからこそ、目に見える開発の先にある人々の主観的な幸せに意 識を向けていきたいと考えます。ところざわに暮らす人々が自らの幸せに気付き、その喜 びを分かち合えるような地域の実現に向けて一歩を踏み出してまいります。  

私たちの運動は、共感によって支えられ広がっていきます。どれほど優れた事業であっ ても、共感を得られなければ、人の心を動かすことも社会を変える力となることもできま せん。だからこそ私たちは、事業に至った背景や実施への想いを発信し、行動の輪に加わ り一歩を踏み出してくれる人との出会いを広げていきます。そのためにはまず、私たち自 身が事業に込めた想いと真摯に向き合い、組織内で深く共有し合うことが重要です。一人 ひとりがその想いを自らの言葉で語り、行動で示すことで、共感を広げ、運動へと繋げて まいります。  

子どもたちに挑戦と成長の場を  

近年、働き方改革の推進により、学校現場では教員の負担軽減が進められ、部活動の地 域移行や小学校におけるクラブ活動の縮小が余儀なくされています。そのため、子どもた ちが勝利の歓喜や敗北の悔しさに心を動かされるような機会は確実に減少しています。こうした本気でぶつかる体験が減ると、達成感や挫折を乗り越える力を育む機会まで失われ かねません。だからこそ今、私たちが地域の力で、子どもたちが挑戦と成長を重ねられる 場を提供する必要があります。結果ではなく、その過程にこそ学びと価値を見出し、自分 自身と向き合う時間を、地域全体で支えていける仕組みを、これからの時代にふさわしい 形で創出してまいります。  

現代の社会では、既にある正解を効率的に導き出せる場面が増えています。一方で、答 えのない問いや多様な視点が必要な課題にも向き合わなければなりません。このような時 代を生き抜くためには、自ら考え、前向きに行動し続ける力が求められます。だからこそ 子どもたちがやってみたいと心から思える経験の価値が、これまで以上に高まっています。好きなことを起点に夢中で取り組む中で、困難にも自然と向き合い、乗り越えていけ るような好循環を生み出す環境づくりが重要です。私たちは子どもたちの新たな一歩を信 じ、その可能性に気付くことのできる機会を提供してまいります。  

機会の連鎖を創る 

青年会議所は 40 歳で卒業となる組織だからこそ、継続と進化には新たな仲間を迎え入 れ続けることが不可欠です。単なる会員数の増加にとどまらず、多様な価値観を受け入 れ、学びや気付きを広げることで、メンバーの成長を促し、組織の基盤はより強固になり ます。そして何よりも、まだ見ぬ同志へ青年会議所という挑戦と成長の機会に満ちた環境 を届けることこそが、すべてに繋がる最初の機会の提供となるのです。拡大運動において 大切なのは、私たち自身がこの組織に誇りを持つことです。言葉だけでなく、日々の姿勢 や行動、自然とあふれる想いが伝わるときに共感が生まれ、新たな仲間との出会いに繋が ります。一人ひとりが会員拡大の担い手となり、全員参画で機会を届ける運動を展開して まいります。  

先輩諸氏の培ってきた知見は、現役メンバーにとって学びの宝庫です。そのような知見 に触れるためには、対話を重ね関係を育んでいくことが重要です。在籍年数の短期化とと もに世代交代が進む中で、世代を越えた交流の機会が以前より少なくなっています。だか らこそ私たちは、多様な接点を意識的に設けることで先輩諸氏から得られる学びを大切に していきます。また、学びの機会は(公社)所沢青年会議所の中だけにとどまりません。 志を同じくする仲間は、地域や組織を超えて存在します。枠にとらわれず外の世界へ踏み 出し、接点を広げていく中で視座が高まり、未知の挑戦にも前向きになる勇気が養われま す。私たちは(公社)所沢青年会議所の現役メンバーとしての誇りを胸に、繋がり、学び 合いながら一歩ずつ前に進んでまいります。  

土台を磨く 

青年会議所は、発展と成長の機会の提供のため単年度制を採用しています。この仕組み は貴重な機会をもたらす一方で、非効率な慣例が見過ごされる懸念もあります。だからこ そ今、残すべき伝統と見直すべき慣習を見極め、次世代へと繋がる強固な組織基盤を築く ことが求められます。その見極めを確かなものとするためには、これまでの歩みに込めら れた意義や背景を理解しようとする姿勢が欠かせません。存在意義や背景に目を向けるこ とで、新たな挑戦と必要な継承の両立が可能となります。すべてのメンバーが、これまで 以上に変化を恐れず安心して挑戦できる環境づくりに取り組んでまいります。  

終わりに 

私は(公社)所沢青年会議所での活動を通して多くの学びや出会いに恵まれてきまし た。埼玉ブロック協議会や国際アカデミー、日本青年会議所という所沢を超えた場での出 会いも、さらなる挑戦心と行動力をもたらしてくれました。そして、ブロック大会実行委 員長として多くの修練と向き合い、それを乗り越えてきた経験が、挑戦の旗を掲げる覚悟 へと繋がっています。一人ひとりのメンバーが自らの可能性を信じて踏み出す一歩。その 挑戦が連鎖し、組織全体の持続的な成長へと導き、ところざわをより魅力的なまちへと変 えていく力になります。すべては、小さな一歩から始まります。その一歩を誰もが踏み出 せるように、私は挑戦する仲間に寄り添い、ときに背中を押しながら共に歩みを進めてま いります。  

私は、2026 年度理事長として新たな一歩を踏み出し、(公社)所沢青年会議所がさらな る挑戦と成長が連鎖する組織へと発展できるよう全力で取り組んでまいります。 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!