意志あるところに道は開ける
〜信念が未来を変える〜
はじめに
私は会社員として都内で10年以上働き、家業を継ぐため2020年に所沢へ戻ってきました。同時に、地元で繋がりを持ちたいと思い公益社団法人所沢青年会議所に入会しました。決して長い期間ではありませんが、私は経営者として、また青年会議所のメンバーとして意志の重要性を強く感じています。「意志」とは、目的や計画を選択し実現しようとする強い想いです。経営者は会社に関わる全てを自身で決断する必要があります。そのため自社のビジョン、仕事を通じた自身の将来像等を自問自答し、己の意志を固めるところが家業におけるスタートでした。青年会議所においても、当初は漠然と地元の繋がりを求めていましたが、仲間と事業構築の苦楽をともにし、地域との交流を持ち、まちづくり団体の一員としての自覚が芽生えました。そして現在、私はところざわのまちと、この組織の発展に貢献するという意志を持って活動に取り組んでいます。
先輩諸氏は(公社)所沢青年会議所の創立から60年以上に渡り、地域の課題解決に取り組み、まちの明るい未来を目指すという強い意志で活動・運動をされてきました。この意志を受け継ぎ、組織がまちの発展へ貢献し続けるために、私は一人ひとりのメンバーが強い意志を持って青年会議所の活動に対して積極的に取り組むことが必要だと考えます。
時を動かす
埼玉ブロック協議会最大の運動発信の場である埼玉ブロック大会、(公社)所沢青年会議所は2020年に主管を務める予定でしたが、新型コロナウイルス蔓延の影響により中止を余儀なくされました。しかし、当時のメンバーはそのような状況下においても、自分たちにできることを考え、歩みを止めることはありませんでした。2022年からは一般参加者向けの来場型事業を再開し、創立60周年記念事業、記念式典も経験しました。そして2025年、(公社)所沢青年会議所は第55回埼玉ブロック大会にて再び主管に挑みます。埼玉ブロック協議会と一体となり県内各地青年会議所と共に事業を作りあげることは、私達にさらなる成長を促し、メンバーの意志を育む好機となります。ところざわの地で、このまちの魅力を発信できる機会を最大限に活かすとともに、市内外問わず多くの方と連携して、埼玉県内に勢いが波及するような大会とし、新たな一歩を進みはじめます。
ところざわの明るい未来へ向けて
株式会社西武ホールディングスの西山社長は、日本経済新聞の記事にて「住みたい街で 所沢が1位」を夢の一つだと語っています。所沢市民としては非常に嬉しい言葉であり、さらなるまちの発展に期待が高まります。事実、所沢駅西口の大型商業施設が2024年に開業を迎え、東口の北秋津・上安松区画整理事業も進み、所沢市の生活利便性は益々向上しています。では、私達が取り組むべきことは何か。それは、地域の課題と向き合いながら、多くの方へ利便性以外の魅力も伝え、よりところざわへ愛着を持つひとを増やすことです。
航空発祥の歴史等、数多くの魅力がこのまちにある中で、「ひと」こそ、最大の魅力の一つであり財産だと考えます。市内には、各地でところざわを盛りあげようと活動している団体や企業が多く存在しています。「Make a Movement, Raise the Value」、私達が掲げる中期ビジョンを実践し、(公社)所沢青年会議所が率先して様々な団体や企業と地域連携型の事業を行うことが、より多くの方々にまちへの想いが波及し、ところざわを盛りあげる運動の輪を広げていくこととなります。
運動の輪を広げるためには、主軸となる(公社)所沢青年会議所に多くの仲間を新たに迎え入れることと、メンバーが積極的に参加することが必要です。この組織において会員は40歳で卒業を迎えます。卒業生よりも多くの仲間を迎え入れない限り組織は拡大しません。組織が拡大することで事業の選択肢は広がり、より多くの方々と接点を持ち、働きかけることができます。まちづくり事業は、接点を持つ方々に私達の想いを伝える機会でもあります。そのため、主体的に携わるメンバーが会員拡大の意義を理解し率先して動くことで、私達がまちづくり団体として運動の輪を広げる力を向上させるのです。まちづくり事業とともに、会員拡大においても、積極的に新たな仲間を増やす好循環を生むべく挑戦し、歩みを進めてまいります。
子ども達の意志を育む
主体的に考え判断し行動する力、これはいつの時代でも変わらず子ども達に求められる大切な力の一つです。(公社)所沢青年会議所は以前よりこの課題に着目し、主体性を育 むための運動を行ってきました。勝ち負けのある競技へ真剣に取り組むことや、その結果 から得られる感情、子ども達が目標を立て達成に向けて行動する事業は、まさに実体験を 通して主体性を持ち、自身で判断する力を育む一助となります。生成AI等の進化によって社会の変化スピードが加速する現代において、この力の重要性は益々高まっています。 私は、一人の親としても地域の大人としても、多くの子ども達に実体験を通した成長の機 会を提供すべきだと考えます。
しかし、時代の変化に伴い子ども達が地域の大人と関わり様々な実体験を得る機会は減少傾向にあります。この状況を改善するために地域での協力関係を築きあげることも、私達の重要な担いです。青少年事業を通して、地域と子ども達の繋がりを深め、子ども達に機会を提供する運動の輪を広げることも目指してまいります。
子ども達と向き合うためには、私達自身が子どもの心や伝え方等を学ぶ必要があります。地域での協力関係を築くためにも子どもへの接し方を熟知することは重要であり、同時に私達の成長を促す機会でもあります。私達は、地域の子ども達が変化の激しい時代を生き抜くための力を付けることができるよう、青少年の健全育成に真剣に取り組んでまいります。
成長の種をまく
生成AI等の急速な普及は、職種や働き方の多様化の流れをさらに加速させ、私達の ビジネスにも大きな影響を与えています。そのため、今後はビジネスそして人生を自らの意志でデザインすることが、より重要になると考えます。青年会議所には多くの学びそし て成長を促す機会があり、日本全国、世界で社会に貢献する事業を行い、活躍している人財を多く輩出しています。(公社)所沢青年会議所内においても会員同士の交流や地域との繋がりから様々な学びの機会があります。多様な選択肢から私達が改めて自社のビジネスを考え、さらなる成長のきっかけとなるような取り組みを積極的に行ってまいります。各メンバーのビジネスの成長を通して、地域経済の活性化に繋げられるよう努めてまいります。
広報活動は課題解決や目的達成に向けたコミュニケーションツールであり、相手との良好な関係性を構築する役割を担っています。まちへの貢献のため、地域との連携を深め多くの方々に私達の組織を理解してもらうこと、そのためには効果的、継続的に発信し相手へ想いを伝え続けることが重要です。広報によって(公社)所沢青年会議所のイメージが醸成されていきます。そして、私達の全ての行動が広報に関わります。各メンバーが、この組織のイメージを作りあげる一人であるという意識を持って活動することで、前向きな気持ちが生まれます。この想いが相手へ伝わり私達の応援者を増やすことに繋がるのです。また広報活動の重要性は、どのような業種においても共通するものです。一人ひとりのメンバーが、新たな気づきを自社のビジネスへ持ち帰り、成長の糧とすべく、広報への意識を高めることを目指してまいります。
終わりに
「意志あるところに道は開ける」これはアメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの言葉です。奴隷制度撤廃という強い意志を持ち、何度も挑戦し結果的に大統領に就任、奴隷解放を実現します。私がこの言葉に出会ったのは、自分の立てた目標に向かって強い想いで行動し続けることの大切さを痛感した時期でした。以降、この言葉を胸に刻み、日々の仕事や活動に取り組んでいます。
「明るい豊かな社会の実現」という青年会議所が目指す姿に向けて、まず私達一人ひとりが自分の意志を持って青年会議所の活動に携わることが重要だと考えます。私自身もそうでしたが、入会当初から強い意志が必要なわけではありません。仲間と出会い活動に携わる中で、地域との繋がりが生まれ、まちへの想いが育まれます。組織はひとの集合体です。一人ひとりの意志が組織を強くし、私達の活動・運動の原動力となります。私は、誰よりもメンバーに寄り添いながら組織の成長を促し、(公社)所沢青年会議所が未来へ飛躍するため、全力で取り組んでまいります。