第60代理事長 田中裕治

不易流行

はじめに

 60年前、ところざわをより良くしたいという想いで所沢青年会議所は発足しました。まちのため、ひとのため、地域への貢献を念頭に行動してきた多くの先輩諸氏の紡いできた歴史があり、いくつもの時代を経て今日に至ります。「不易流行(ふえきりゅうこう)」とは、いつまでも変わらないものの中に、新しい変化を取り入れることを指す言葉です。どんなに時代が変わろうとも設立時からの変わらぬ想いと、変化を恐れぬ勇気を持ち、地域をより発展させるために、私達は活動をしていかなければなりません。

公益社団法人所沢青年会議所は、明るい未来を目指し、それぞれの時代の変化に合わせて取り組んできたからこそ、まちに影響を与える団体であり続けています。今の時代を生きる者として、自分達に何ができるのかを考え行動することで、ところざわの明るい未来へと進むことができるのです。

この先も歩み続けるために

 (公社)所沢青年会議所は1964年の設立以来、本年で60周年を迎えます。この間、多くのご支援、ご協力をいただきながら成長してきました。そして(公社)所沢青年会議所が長年に亘り存続できているのは、これまでの歴史を築き上げてこられた先輩諸氏や、関係諸団体の皆様の支えによるものと改めて認識しなければなりません。支えてくださる方へ感謝の気持ちを忘れずに、私達は歴史と伝統を受け継ぎ、この先の行動に繋げていきます。

今日に至るまでの活動を振り返りながら多くの方との繋がりを大切にし、更なる成長を目指し60周年を迎えていきます。そして、私達の活動をより良いものにするため、現在の課題と向き合い最大限できることを考え、未来に向けて歩みを進めてまいります。

知ることから始まるまちづくり

 私達が活動する地域をより良くしたい、より多くの方々に地域の魅力を伝えたいという想いのもと、まちづくり運動を展開してきました。多くの先輩諸氏が、時代の変化に合わせ、自分達にできる最善と地域への貢献を考え行動してきた軌跡は、今も私達の礎となっています。

ここ数年、住みたい街ランキング等で、県内でも上位に位置することが増えた所沢市ではありますが、市民の方々はところざわをどのように想っているのでしょうか。ただ、生活や交通の利便性が高いから、家賃が都内に比べて安いからという理由で住んでいる方も少なくないでしょう。「住むからにはところざわを好きでいてもらいたい」多くのまちづくり運動を展開してきた私達だからこそできることがあるはずです。今まちがどのように変わりつつあるのか、地域が持つ課題は何なのか、私達は今一度まちの現状を認識する必要があります。知ることで初めて、時代に合った最善の形を導き出すことができるのです。その繰り返しと積み重ねが、やがてこのまちや住んでいる方々に大きな影響を与えることに繋がると私は確信しています。先輩諸氏からの想いを受け継ぎ、ところざわが発展し続けるためにできることを考え、より良くするために私達は行動してまいります。

これからを生きる子ども達へ

 時代の流れに伴い、現代の子ども達を取り巻く環境は大きく変化し、遊び方やひととの関わり方も例外ではありません。多くの情報に囲まれた環境により知識は増え、疑似的、間接的な体験は増えているものの、ひとやものに実際に触れる直接的な体験が減ってきているように感じます。しかし、いつの時代においても、子ども達にとって身をもって感じることの重要性に変わりはありません。知識だけではなく、実際に経験することで多くの学びを得ることができるのです。

 これからを生きる子ども達には、自らの経験をもとに生き抜く力を身につけることが重要になってくると私は考えます。そのためには、親世代である私達地域の大人が、子ども達の成長の糧となる、様々な経験ができる機会を作っていく必要があります。目標を達成するためにはどのようにするか、方法はその子によって無数にあり、身近な目標を達成することの繰り返しが、自信へと繋がり、これからの人生の支えとなるのです。子ども達がこれからの時代を創る青年になれるよう、私達は青少年の育成に取り組んでまいります。

ひととの関係性を大切に

社会はひとで作られており、生きていくためには人間関係が大切になってきます。誰しも一人では生きていくことはできません。仕事や私生活においても、多くのひとの支えがあり、繋がりがあるからこそ日々の暮らしを営むことができます。2020年以降の世界的な感染症まん延の影響により、対面で会うことが難しくなり、より一層人間関係の大切さを感じるようになりました。人生をより豊かにするためには、ひととの繋がりは欠かせないものだと私は考えます。

人間関係は、日頃の行動一つで良くも悪くもなります。悪い方向に働いてしまえば、これまで築き上げてきた関係も一瞬にして崩れてしまい、修復することは容易ではありません。しかし、日頃の心掛けで良い方向に変えることはできます。そのためには、自分自身の柔軟な心と、相手への感謝の気持ちが大切です。「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。」という言葉があるように、ひとは心が原動力となり、いかようにも変わることができるのです。良い人間関係を築くためにも、感謝の気持ちと日頃の心掛けを大切にしてまいります。

未来のために

 青年会議所の特徴の一つとして、単年度制で毎年役職や担いが変わり、行っている事業は多岐にわたります。ただ唯一、青年会議所が設立されて以来、途絶えることなく行われている事業こそ会員拡大です。なぜ会員拡大を行うのか。「社会により良い変化をもたらすための発展と成長の機会を提供する」これは青年会議所の使命であり、会員拡大こそ最大の機会の提供であることを理解しなければなりません。そして、会員数の増加は(公社)所沢青年会議所の発展に繋がり、行う事業の規模が大きくなることで、さらに多くの方により良い変化をもたらすことができるのです。

 会員拡大に重要なことは、会員拡大が青年会議所にとって永続的な最重要事項であることをしっかりと把握し、組織全体が自分事として捉えていくことです。また、一人ひとりが私達の活動に誇りを持ち、多くの方に青年会議所の魅力を伝えることで、共に活動していく同志が増えていくのです。私達の運動はひとの力により作り上げられており、その力が幾重にも重なり合うことで推進力を増し、地域に与える影響力を高め、まちの未来への可能性が広がっていくのです。明るい未来のために、組織一丸で会員拡大に取り組んでまいります。

今の積み重ねが未来を創る

 過去の積み重ねが今を創り、今の積み重ねが未来を創る。今があるのは過去の結果であり、未来は今をどう行動するかで、いかようにも変えられます。たとえ辛く悔しいことや、思っていた結果が得られないことがあったとしても何度でも立ち上がり、失敗を恐れず何事にも挑戦しようとする気持ちが重要です。課題の解決方法を考え、前向きな意志を持って行動に移すことでより良い未来に繋がるのです。

私達一人ひとりが、設立時からの変わらぬ想いを次の時代に繋げていくためにも、一つの歴史を創っているという責任と自覚を持ち、行動しなければなりません。今の努力が次の世代へと繋がり、(公社)所沢青年会議所が未来へ歩み続けるのです。まずは私が歴史を創る一人として先頭に立ち、行動で示してまいります。

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